連載第1〜2回目では、ボディの修復(解体・板金)から塗装、シャシーとのドッキングを紹介したが、ガレージイワサでのレストア作業は、ボディや足回りと並行してエンジンも組み上げていく。そのことをあらかじめ明記した上で、今回はエンジン、ミッションの組付け作業を紹介していこう。 まず、上半分は挨まみれ、下の方はオイルなどで黒く汚れてしまっていたトランスミッションとエンジンを分離させ、ギアボックスのオーバーホールに取りかかる。各べアリング類やギア類の磨耗・破損を点検し、ギアをすり合わせていくのだが、ギアが入りやすいようにシンクロを入念にすり合わせたり、かみ合いをよくするのがコツとなる。こうした工程では特に、職人の熟練したワザと、経験によるカンが必要となってくる。 続いて、エンジンのオーバーホールだ。キャブレター、シリンダーヘッド、カムシャフト、クランクシャフトなどを部品ごとに分解し、丁寧に洗浄する。エンジンの各部品は、高回転エンジンゆえの激しい振動や経年劣化によりスラッチ(ひび割れ)や偏磨耗が生じてしまうことがある。そのため、洗浄した部品ひとつひとつをチェックしていき、細かいスラッチは溶接で修復し、再使用が不可能な部品は新品と交換しなければならない。